粕谷大智先フェイスブブックより引用2020-7-14日
タキサン系抗癌剤治療による末梢神経障害に対する鍼治療の
有効性に関するランダム化比較試験
本日、東大病院で島根大学臨床研究センター教授の大野智先生に
お越し頂き、電子的にデータを取得するElectronic Data Capture
システム(EDC)の使用方法をipadを用いて確認しました。
このEDCですが、今までは臨床試験の症例報告書は紙データで
したが、最近は電子的にデータにて、臨床データつまり
症例報告書の内容を入力し、
そのデータをインターネットなどのネットワークを介し電子的に
取り込む形態がEDCです。
東大のデータも帝京大学臨床研究センターで解析され、
データの集積や統計解析も行うという、ある意味大変便利ですが、
経費もそのシステムに膨大に掛かります。多施設の共同研究に膨大
な研究費が掛かる理由の一つもここにあります。
エビデンス重視という大きな流れからみると、1人の臨床家がコツコツ
所見を取り、
経過を追い統計処理をする時代ではないのかもしれません。
しかし、抗癌剤治療による末梢神経障害に対する鍼治療で
、私自身が疑問に感じている事
として、
① お風呂や温かいマグカップを持つと、しびれが悪化する患者は
鍼の効果が期待できない→その理由は?
② 鍼治療をしていると薄紙を一枚一枚剥がすように、
しびれが軽くなる→その機序は?
③ 糖尿病性神経障害と同様に太い有髄神経からの障害としたら、
鍼灸の効果は何を意味する?
④ 触っているのに感覚が乏しい症状や爪や皮膚の変色に対する
鍼灸の役割は?
などは、地道に臨床の現場で患者さんの訴えを逃さず、
所見を取り、1人1人の患者さんに寄り添ってこそ答えが
出ることと感じています。
メガ・データももちろん大切ですが、one on one も大切に
これからの臨床を継続していきたいと思います。